2019年5月3日、晴れ。
ゴールデンウィーク真っ只中のこの日、僕は家族と一緒に鹿児島を飛び出して熊本と宮崎へ旅に行ってまいりました。
とはいっても、今回は宿泊を伴わない日帰りの旅です。
これによって観光する場所や時間は大幅に限られてくるため、今回の旅では熊本県の「熊本城」、「阿蘇山」、宮崎県の「高千穂峡」の3ヶ所を目的地とすることに。
どれも各県の主な観光地として有名な場所。
いったいどんな場所なんだろう!と胸を躍らせながら、朝早くに鹿児島を出発しました。
鹿児島→熊本城
連休で賑わう熊本市街地を走り抜け、第一の目的地「熊本城」を目指します。
このとき熊本地震から3年が経っているのですが、街中を走った感じでは特に地震の爪痕が残っている…というような点は見られませんでした。
ですが、熊本城においてはまだ復旧の真っ最中。
生々しい地震の爪痕も未だ残されていました。
これからお伝えするのは、熊本地震から3年が経過した熊本城のリアルです。
熊本城(熊本県熊本市中央区)
三の丸駐車場に車を停めて、城へ向かいます。
すると、完全に倒壊してしまった塀がいきなり見えてきました…。
割と堅牢な造りっぽいような見た目ですが地震の力はすさまじく、こうもバラバラにしてしまったのです。
戌亥(いぬい)櫓
こちらは戌亥櫓。
写真では分かりにくくなってしまいましたが…地震で石垣が崩れたことで、残った角部分の石垣だけで櫓を支えているように見える状態となっています。
ここまでくると、よく崩れなかったなという感想しか出なかったです。
ですが、そのお隣にある長塀は石垣もろとも崩れてしまった様子。
※2023年末現在、戌亥櫓はいったん解体され、崩れた石垣の修復が行われているようです。
天守閣
2022年に訪れたコロナ禍の熊本旅行記にて天守閣付近の様子は紹介していますが、この時の天守閣はまだまだ復旧作業中。
なので今回は遠くからちょろっと眺めるだけです。
天守閣は骨組みに覆われ、その様子はさながら要塞のよう。
写真左のほうは小天守なのですが、まるで宙に浮いている風に見えます。
まだまだ復旧は始まったばかりの熊本城でしたが、この光景もまた貴重なものと思います。
また元の状態に戻ることを信じて熊本城を後にしました。
熊本城→阿蘇山
熊本市を離れ、次なる目的地「阿蘇山」へ。
ここ南阿蘇村は、熊本地震の本震が発生した際に震度6強という非常に強い揺れに見舞われた場所。
それによって地滑りや阿蘇大橋の落橋などの甚大な被害を受けました。
今いる阿蘇長陽大橋も橋脚にヒビが入るなどの被害を受けましたが、地震の翌年(2017年)8月に再開通。
崩落した阿蘇大橋が復活するまでの間、南阿蘇村内のメインルートを担っているのです!すごい渋滞だ…。
地震で崩落した阿蘇大橋に代わる新阿蘇大橋を造っているところ。
橋を抜けてしばらく進むと周囲が開けてきて、でかでかとした山が間近に見えてきました。
こちらは阿蘇山でなく、厳密には「杵島(きしま)岳」という名前の山なのですが、一応阿蘇山を構成する山々の一つだそう。
山体はかなり地震の影響を受けたようで、あちこちで山肌が崩れてしまっています。
すると今度は、やたらのっぺりした山を発見。
こちらは「米塚」といって、約3300年前の噴火で形成された火山なのだとか。
地震のせいでしょうか…看板がぽっきり折れてますね。
どんどん山が近づいてくる感覚と共に、土砂崩れの凄惨な現場がよりはっきりと見えてきました。
いかに熊本地震のエネルギーが凄まじかったか…本当に恐ろしいです。
阿蘇山 草千里ヶ浜(熊本県阿蘇郡阿蘇市)
阿蘇山の草千里ヶ浜に到着しましたが、見て下さいこの車の集合体を。
さすがは九州有数の観光地です…。
草千里ヶ浜の草原と阿蘇山。
日本屈指の活火山なだけあって、鍋のような火口からもうもうと煙が立っています。
今はもくもくと白煙が上っているだけですが、あれが本気を出せば日本全国が壊滅するというんだから火山って怖い。
この旅行の1年前にも霧島連山の新燃岳や硫黄山が噴火していた事もあって、これ以上火口に近づく勇気はありませんでした…。
※この数時間後、なんと噴火したようです
ちょうどお昼時でしたので、熊本ラーメンを注文。
一杯1,100円と割高な感じですが、観光地だからこんなものなのかな…?
味は美味しかったです。特に出汁。
腹ごしらえが済んだら、短いですが阿蘇山とはお別れです。
今度訪れるときには火口も覗いてみたいなぁ…と思いながら、宮崎県境を目指すのでした。
高千穂峡(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
阿蘇の山野を下り、最後は宮崎県に渡って「高千穂峡」へやって来ました!
高千穂峡では峡谷でボートを漕げる体験ができるようですが、いざ係員の方に訊いてみると
「あ、本日はすべて予約が埋まってしまって・・・」
めちゃくちゃな人気っぷりでした。
すでに10時~11時あたりでそんな状態だったらしいです。
ボートには乗れませんでしたが、徒歩でも高千穂峡は楽しめます。
なんかものすごくゴツゴツした岩が壁のように連なっていますが、これは柱状節理といって、火山から流れ出た溶岩または火砕流が冷え固まることで出来上がるとの事。
高千穂峡の場合は火砕流から形成されたものですが、その出所は先ほど訪れた阿蘇山。
12万年前・9万年前に噴火したものが積もりに積もって高さ100mもの断崖を作ったのです。
鹿児島の霧島神水峡も同じような感じですが、それと比べると高千穂峡のはレベルが違いますね…。
その上の崖もまた切り立っていて、息をのむ迫力です。
崩れてきたりしないよね…。
こちらは高千穂峡で最大の見所といっても良い真名井の滝!
勢いよく水が流れ落ちる様は壮観です。
ボートの操作を誤って滝に突入したらとんでもないことになりそう。
峡谷を抜けた後は、広場で小休止。
近くの池にはチョウザメが泳いでおり、聞くところによると宮崎キャビアの養殖が目的とのこと。
写真では一匹しか映っていませんが、実際にはコイの群れかってくらい大量にいます!
もう少し辺りを散策してみたい欲はありましたが、宮崎の最北端から鹿児島へ帰ることを考えるとそうもいかず…。
名残惜しいですが、今回の旅はここまでです。
帰路へ
限られた時間のなかでしたが、普段の生活では見られない景色ばっかりで、とても新鮮な気分になれました。
もちろん、今日訪れたところは熊本と宮崎それぞれにある観光地の一部にすぎません。まだまだ訪れるべき場所はたくさん有るはず。
ですので、まだ見ぬ景色を求めていつかまた旅行へ行ってみたいと思います。
これをもって、~熊本・宮崎弾丸旅行記~を終わりたいと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!