宮崎最南端「都井岬」へ!道中には廃墟と化したホテル群も…

45.宮崎県

宮崎県の最南端は、串間市にある都井岬(といみさき)だ。

日南海岸から太平洋側へにゅっと突き出た場所にあり、岬周辺では野生の御崎馬(みさきうま)が約100頭ほど生息している。

都井岬へ

岬入口のゲートにて料金400円を支払い、山道を駆け上がると見晴らしのいい駐車場に出てくる。

都井御崎牧組合によると、料金は御崎馬の保護に充てられるのだそうだ。

駐車場にはいなかったが、道中では馬が草を食べている姿を見ることができる。

こんな感じで、岬には注意喚起の看板が立てられていた。馬糞も傍らにポツポツとある。

誰もいない駐車場から少し歩くと、都井岬灯台が見えてくる。

九州では唯一内部まで参観できる灯台で、天気が良ければ種子島が見えることもあるようだ。

この時期であれば16:30までなら参観できるらしかったのだが、すでに時刻は16:35を回っていて、門は施錠されていた。

そういえば、僕が駐車場に来てすぐに「お疲れ様でした~」と言い合って帰っていく人を2名見かけたが、あれは灯台の従業員の方だったのかもしれない。

ゲートにいたおばちゃんに「この時間ですけど…岬へは行けますから」と言われたのもおそらくそういう事なのだろう。

灯台の営業終了時間は意外に早いようだ。

岬周辺に点在する廃墟

宮崎・日南側。山々が広がっているのが見える。

かつて、宮崎県は空前の新婚旅行ブームに湧いた頃があった。1960年から1970年代後半のことである。

当時はまだ沖縄県が日本に返還される前で、気軽に海外旅行へ行けない時代でもあった。

鹿児島・志布志側。太平洋が広がるのみで何も見えない。

そんなとき、簡単にハワイやグアムのような南国気分を味わえて、かつ国内である宮崎県がクローズアップされたのだという。

1960年には皇室の島津夫妻が新婚旅行に訪れたことをきっかけに、宮崎県は新婚旅行先としての地位を確立していった。

廃業した民宿の看板

しかしそれも長くは続かず、1972年には沖縄県が返還され、世間のブームが海外旅行に移り変わったことで宮崎県の観光業は低迷していった。

ここ都井岬も新婚旅行ブームに乗じて数多くの宿泊施設がオープンしたが、現在ではそのほとんどが廃墟もしくは更地となっている。

メインストリート沿いの廃墟を一部撮影することができたので、それらを紹介したいと思う。

都井岬シーサイドホテル

1975年以前~1997年前後まで営業していた4階建てのホテル。

ガワだけ残して完全に撤退したのか、非常に無機質な印象を受ける。

都井岬グランドホテル

1970年~2000年まで営業していた5階建ての大規模ホテル。

外側から見る限りでは建物が大きく崩壊している様子は無いが、植物に覆われていてかなり不気味。

水色の建物(名称不明)

駐車場付近にあった水色の建物。

何の建物かを示す痕跡は見当たらないが、国土地理院の空中写真によれば少なくとも1966年~1975年の間に建設されたようだ。

入口から覗いてみると、かなり崩壊が進んでいた。


話は変わるが、僕の住む鹿児島県にある佐多岬もかつてはこのように衰退したままの姿だったという。

もともと岩崎産業が開拓・所有していたのだが、観光客が少なくなってからはほぼ放置状態となっており、南大隅町に移管されるまでは展望台はズタボロ、レストハウスは廃墟と化していた。

しかもその状態で通行料を1,000円以上徴収していたというのだから、比較的少額かつ料金の利用目的を明言している都井岬と比べると非常に質が悪い。

2012年に移管された後は展望台や廃墟を解体したのち完全にリニューアルされ、ぼったくりじみた通行料も無料になったが、もしそうでなかったら都井岬以上に廃れていたかもしれない。

今日のあとがき

スウ
スウ

私事ですが愛車がタフトになりました。お疲れ様ワゴンR…。

それはさておき、都井岬は廃墟ばかりでなんだか寂しい感じでした。

あちこち残っているから解体費用はかさむけど、宮崎最南端の地ということで自治体でテコ入れできないかな…。

スポット情報

都井岬灯台

所在地:宮崎県串間市大納80-2
駐車場:有り
営業時間:平日9:00~16:30・土日祝9:00~17:00(3月~10月)
     平日・土日祝9:00~16:30(11月~2月)
料金:野生馬保護の協力金として車1台400円・バイク1台100円
   灯台観覧料に大人300円(中学生以上)・子供無料(小学生以下)