姶良市を流れる網掛川には、日本の滝百選に選定された龍門滝がある。
そのすぐ上流には雲水峡と呼ばれる滝群があり、遊歩道から川蝉の滝と蛍の滝が見られるという。
しかし2023年1月現在、このスポットの存在は抹消されつつある。
雲水峡へ
龍門滝の滝上にある展望台から上流側に少し移動すると、遊歩道と鳥居が見えてくる。
ここが雲水峡への入口になっており、以前はここに「雲水峡・川蝉の滝・蛍の滝→」と記された案内板もあったが、現在は取り外されていた。
その先にも遊歩道は続いているものの、途中からロープで塞がれていてこれ以上進むことはできない。
ログハウス風のトイレは封鎖まではされていないが、便器内は澱んでいて、水道の蛇口をひねっても水が出る様子は無かった。
2011年に訪れたきりなのでうろ覚えだが、この先を行ったところに雲水峡があり、2つの滝もちゃんと存在している。
川蝉の滝の落差は1m、蛍の滝の落差は2~3mほどとされていて、付近で泳ぐ学生(おそらく遊泳禁止)によれば「水深は数mある」とかいう話だ。
龍門滝の森の歴史
旧加治木町の広報誌によれば、雲水峡は龍門滝の森整備事業の一環として昭和63年4月に整備されたそうだ。
町では、四月七日オープンした龍門滝の森の二つの“滝の名前”を募集しています。
広報かじき(昭和63年4月号・号外)より一部引用
この滝は、龍門滝から上流の金山滝までの間の遊歩道沿いにあり「雲水峡」と名付けられた自然の美しい所です。
散策を楽しみながら、すばらしい名前を付けて下さい。
この時に無名の滝が2ヶ所発見されたが、のちに公募という形で「蛍の滝」「川蝉の滝」の名前に決まっている。
雲水峡周辺は2018年頃までは開放されていたものの、少なくとも2019年6月には遊歩道崩落を理由に封鎖されたようだ。
遊具の周りには雑草が生い茂り、封鎖されてから何もされていないことが窺える。
今日のあとがき
姶良市のホームページでも雲水峡には何も触れられてないし、もしかしたらこのまま廃れていくのかも。
また滝が見られるのを祈るばかりです…。
スポット情報
雲水峡
所在地:鹿児島県姶良市加治木町木田
駐車場:無し
営業時間:無し
現状:遊歩道崩落により大部分が封鎖、復旧のめど無し