薩摩川内の火口湖「藺牟田池」へ!湖畔には廃墟もありました

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ひとくちスポット紹介

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スポット名藺牟田池
所在地〒895-1502 鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田
概要薩摩川内市の山中に有る火口湖。
池の西側は湿地となっており、その珍しさから大正10(1921)年に「藺牟田池泥炭形成植物群落」として国の天然記念物に指定されている。

藺牟田池へ

今回訪れたのは、鹿児島県薩摩川内市の山間にある「藺牟田池」

ぱっと見なんじゃこりゃと思うような名前の池ですが、藺牟田と書いていむたと読みます。

かつて藺草(いぐさ)という畳の原料がこの近辺で採れたことや、湿地を意味する鹿児島の方言「むた」からこの名前になったとされているのだそう。

藺牟田池の西側部分は湿地化していて、それによって生まれた浮島が池の3分の1を占めています。
実は池と湿地がワンセットになっているのって、なかなか珍しいらしいのです。

それによって、藺牟田池は大正10(1921)年に「藺牟田池泥炭形成植物群落」として国の天然記念物に指定されたほか、平成17(2005)年には国際的に重要な湿地としてラムサール条約にも指定されています。

藺牟田池のほとりには「アクアイム」という生態系保存資料館があるのですが、どうやら営業時間が17時までのようで、このとき既に閉まっていました。

ただ、アクアイムの外からでも見物できるものがいくつかあったので、軽く紹介していきましょう。

まずは建物の横で佇んでいる白鳥から!

作り物…かと思って見ていたら急に首を回し始めたのでびっくりです。よく見たら「近寄らないで」との注意書きもある。

そして壁には水槽がはめ込まれていました。

外来魚であるブラックバス・ブルーギル・ライギョが展示されています。

湿地帯に生える落羽松

▲ サイクリングロードをしばらく進んだところに有る

池の北側では、「落羽松」(らくうしょう)を見ることができるそうです。

湿地帯や沼などの湿った場所で育つ杉の木で、落葉するときに鳥の羽が落ちているように見えることからこのような名前が付いたのだそう。

しばらく歩くと、水面からにょきっと生えた数本の木が見えてきました!
これこそが落羽松!ちょうど黄色く色付いていて、立派な紅葉具合です。

でも、本来この木がある場所は水面下にあり、普通の木はなかなか育たない場所にあります。
ではなぜ落羽松は何事もなく育っているのかというと…。

その理由は、このキノコのようにぽこぽこ突き出た気根にあります!

またの名を呼吸根と呼び、その名の通りここから酸素を取り込んでいます。
藺牟田池のように地中の酸素が少ない湿地帯では、こんな風に根っこを突き出すことで直接酸素を取り込むことができるのです。

これもまた植物の生存戦略。
過酷な環境でも、そこで育っていくためにあらゆる手段を講じているんですね。

普通に写真映えしそうな場所でした!
紅葉シーズンの落羽松を見たい方は11月中旬に訪れることをおススメします。

湖畔に佇む廃墟たち

落羽松の育っている場所を見下ろしてみると、何やら植物に覆われた施設たちが見えます。

かつてここには「いこいの村いむた池」というリゾートホテルがあって、結婚式場や大浴場、テニスコートなどを有するかなり大規模なものだったらしいです。

現在は介護サービス付きのホテル「ほてる咲良」に生まれ変わっていますが…写真に映っている流水プールのように、いこいの村時代の一部施設は取り壊されずそのまま自然に還りつつあるようです。

プールのすぐ近くにあった2階建ての建物。
社員寮…の跡なのかな?

今では完全に藪と木々に覆われてしまって何も分かりませんが…営業していた頃は、この坂からプールサイドへ行けたのかもしれません。

もしかしたら、このまま人々から忘れ去られていくのでしょうね。

今日のあとがき

スウ

本文では紹介しませんでしたが、藺牟田池ではボートに乗ることもできるようです!
昔は5人まで乗れたのかな…消されてるけど、うっすら「五人まで 八〇〇円」って書いてあるのが見えました。

スポット情報

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この記事を書いた猫

九州地方に住むケモノ。
愛車でドライブを楽しむかたわら、2022年より観光スポット紹介と旅行記を兼ねたブログ「けものたび」を開設。

2022年:本土最南端「佐多岬」到達
2023年:日本最低峰の一つ「天保山」制覇

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