ひとくちスポット紹介
スポット名 | 高千穂峰 <高千穂河原ルート> |
所在地(山頂) | 〒885-0224 宮崎県都城市御池町 |
概要 | 宮崎県と鹿児島県の境界に位置する火山(標高1,574m)で、霧島連山の第二峰。 鹿児島県側の高千穂河原ルートから登ると、同じく活火山である御鉢や霧島神宮の跡地を通る。 |
高千穂河原にて
2021年3月26日、天気は快晴。
今回紹介するスポットは、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の「高千穂峰」です!
高千穂峰の標高は1,574mと、霧島連山で最も高い山とされる韓国(からくに)岳(標高1,700m)に次いで高い山。
そしてその山頂には、日本神話で登場する天逆鉾(あめのさかほこ)と呼ばれる矛が突き立てられているのだとか。
近くには高千穂河原ビジターセンターがあり、500円で駐車場を利用できるようなので、使わせていただきましょう。
登山開始!
ビジターセンターで登山届を提出したら、いよいよ登山開始です!
今回は、鹿児島県側の高千穂河原ルートで挑む訳ですが…大まかなルートはこんな感じ。
道中では霧島神宮の跡地を2ヶ所、そして御鉢の火口を見ることができます。
霧島神宮 古宮址
現在多くの参拝客が訪れる霧島神宮は、いわゆる3代目と言われています。
それまではここ高千穂峰に鎮座していたようで、今日でもその痕跡が残されていました。
いま写真でお送りしている写真には鳥居が映っていますが…こちらは古宮址(ふるみやあと)という所で、2代目の霧島神宮があった場所。
文暦元(1235)年に発生した御鉢の噴火によって社殿は焼失してしまいました。
かつて社殿があった場所には天孫降臨神籬(てんそんこうりんひもろぎ)斎場として整備され、毎年11月10日になると天孫降臨御神火祭が執り行われているそうです。
古宮址を過ぎると林の中へ突入し、少しずつ登り始めます。
まだまだ序盤ですが、登山っぽい雰囲気が出てきました。
林を抜け、御鉢の山腹を登っていきます。
目の前には岩場が広がっていますが、れっきとした登山道らしいです。
とはいっても、「ちゃんと指定された通りのコースを通れよ!」という訳ではなく、各自登りやすい場所を見つけて登れば良いみたいなので、あまりにも極端な方角へ進んでいかなければ大丈夫っぽいですね。
傾斜はこんな具合。
ちなみに、この辺りで下山する方々と数組ほど出会いましたが、それ以降は誰ともすれ違う事はありませんでした。
この日の登山者は僕で最後だったみたいです。
御鉢火口
20分ほどかけて斜面を上ると、御鉢の火口が見えてきました!
近くで見るとめちゃくちゃ大きい…。
今はご覧の通り大人しい様子の火口ですが、これが過去に何度も大噴火を引き起こしたというのですから…自然は恐ろしいですね。
ちなみに、2000年代前半には火口の底に「KING」と書かれた落書きが有ったそうです。
流石にもう消えてる…っていうか、よくここを降りようと思ったな…。
ここから先は、御鉢の火口縁である馬の背を渡って高千穂峰を目指します。
道幅は2~3mほど。
もし強風にあおられて転ぼうなら、どちらへ転んでも大事になりかねないので気を付けましょう。
良くても骨折、最悪は死でしょうかね…。
馬の背には柵も何も無いので、慎重に進んでいきます。
実際、この辺りでは滑落による死亡事故が何度も起きているので、ここが一番細心の注意を払わなければいけない地点かも。
霧島神宮 元宮
馬の背を突破し、鞍部である脊門丘(せとお)に下ると、白い鳥居が見えてきました。
ここは元宮といわれ、初代…すなわち、最初に霧島神宮が建立された場所!
ここに社殿が建てられたのは、一説によれば欽明天皇元(540)年あたりといわれています。
ただ、こちらは延暦7(788)年に御鉢が噴火したことで焼失してしまったようですね。
お参りをしたら、あとは高千穂峰へ一直線!
比較的歩きやすいし、これなら山頂まで楽々行けそうです。
・・・と思いきや、それまで健在だった柵はことごとく倒れてしまい、丸太の階段らしきものも半分以上が崩落状態。
山頂まではあと少しですが、ここにきて急に雰囲気が変わりました。
何度か転びそうになりながらも、頂上まであと0.1kmの地点まで来ました。
瀕死だった登山道も復活してきたので、ここまで来れば安心かな…。
山頂に到達!
登山開始から約1時間50分、ついに高千穂峰の頂上に到着しました!
山頂には何も遮るものは無く、眺望は360度満点。
お隣には新燃岳もあったので、写真に収めておくべきでした…。
冒頭で少しだけお話ししましたが、高千穂峰山頂に刺さる天逆鉾にはこんな伝説があります。
日本神話によると、神々の住む世界から日本を治めるために、ここ高千穂峰へ瓊瓊杵尊という神様が降り立ったとされています。
これがいわゆる「天孫降臨」で、高千穂峰の頂上に降り立ったのち、天逆鉾をここに刺した…とのこと。
ちなみにこの天逆鉾は、新婚旅行で高千穂峰を登った坂本龍馬によって一度引っこ抜かれたエピソードがあるそうです。
とはいえ…その天逆鉾はのちの噴火によって折れてしまいます。
刃の部分は回収できましたが、その後は所有者が転々として最終的に行方不明となっています。
今ある天逆鉾はレプリカですが、噴火で折れた方の柄の部分は今も地中に埋まっているとか。
最後に、山頂から見た景色をお送りしましょう。
少しもやがかかってしまいましたが、はるか遠くの街まで見渡せました!
山頂には誰もいなかったので、この景色は文字通り一人占め。
御鉢火口を見下ろしたところ。
「これからまたあの道を通るのか」と考えるとあんまり気乗りしないですが、かといってここでまともな防寒具も無いまま一夜を明かすのは不味いので、重い腰を上げて山頂を後にするのでした。
余談ですが
登山開始がお昼頃だったのもあって、登山口まで戻ってきた頃には17時半を回っていました。
ビジターセンターも閉まっていて、辺りには誰もいなかったです…。
スポット情報
スポット名 | 高千穂峰 <高千穂河原ルート> |
所在地(山頂) | 〒885-0224 宮崎県都城市御池町 |
駐車場 | 有り(有料・500円) |
ウェブサイト | 高千穂河原ビジターセンター|鹿児島県霧島市 |