鹿児島県の北西部にある薩摩川内市には、「世界一郷水車」と呼ばれる巨大な水車が存在するようだ。
世界一を謳う割に知名度はあまり無いので事前情報に乏しいが、どんな感じの水車なのだろうか。
実際に行って確かめてきた。
実際に行ってみた

姶良市と薩摩川内市を結ぶ県道42号線から脇に逸れてしばらく走ると、いきなり水車が見えてくる。
水車は完全に回ることは無く、ゆっくりと振り子のように左右に動いていたが、故障ではなく元々こういう仕組みの水車らしい。

銘板によれば、水車の直径は13.26m。
建設時期については記載していないようだが、薩摩川内市の広報誌によれば1991年に世界一郷水車通水式を行ったとあるのでこの辺りだろうと思われる。

水車まではこれといった柵は無く、水がドザーッと音を立てて流れ落ちる様子を間近で見ることができる。
よく見ると、経年劣化によるものか水車の板が何枚も落ちてしまっていた。

水車のすぐ脇には直売所があったらしいのだが、ここ最近で閉店してしまったようだ。
現在は入口に「休館中」の表示と閉店を告げる紙が貼り出されている。
竜仙郷と滝ノ山渓流

水車周辺は竜仙郷として整備されている。
この先に建つ竜仙館では200円で温泉に浸かれるほか、夏季にはそうめん流しが楽しめるらしい。

また、竜仙郷では渓流が存在しているため、広範囲にわたって遊歩道などが設けられている。

そしてこの地には龍にまつわる伝説もあるらしく、エリア内にはオブジェが点在していた。
この橋の名前も「夫婦竜橋」(めおとりゅうはし)となっており、案内板は無くともここがその手の場所だというのは薄々感じ取れる。

とはいえ、エリア内はどこか荒廃したような雰囲気を感じる。

例えば川のほとりに遊歩道が整備されてはいるが、一部は草が伸び放題になっていて自然に還りつつある状態(写真でいえば左岸)で、石橋もすっかり苔むしていて滑って転びそうになった。

こちらは「夫婦岩」だ。
真っ二つに割れた看板によれば、2つの岩が付かず離れずの距離で鎮座しているらしいのだが、草が生い茂っていて肝心の岩はほとんど見えない。
“世界一”とは言われているが…

おそらく大きさの面で“世界一郷水車”と名はついているが、2023年2月時点で世界一ではなく、何なら日本一でもない。
一般に知られている中で世界一の水車はマン島のラクシー水車(直径22.1m・1854年建設)、そして日本一の水車は埼玉県寄居町の大水車(直径24.2m・2019年建設)だ。
世界一郷水車の直径は13.26mなので、倍近くの差をつけられている。それ以前に寄居町の方が世界記録を完全に抜かしてしまっている。

建設当時は世界一とはいかなくても日本一ではあったのかもしれないが、月日が経つにつれてそれらの座を狙う水車が乱立するようになったため、2023年時点では南九州一がいいとこだろう。
2年半ぶりに訪れたら…
2025年9月28日、天気は雨。

2年半ぶりに世界一郷水車を訪れてみたら、直売所跡もろとも解体されていました。

解体された理由は“老朽化”とのこと。
確かに、以前来た時には既に水車の羽板がボロボロ抜け落ちてたもんね…。
この石碑もそのうち撤去されるのでしょうか。
今日のあとがき

在りし日の写真。
もうこの光景は幻となるのでしょう…。
スポット情報【2025年10月時点】
| スポット名 | 世界一郷水車(解体) |
| 所在地 | 〒895-1502 鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田 |
| 営業時間 | 特に無し |
| 料金 | 特に無し |
| 駐車場 | 有り(無料) |

