ひとくちスポット紹介
スポット名 | 山海館(閉業) |
所在地 | 〒867-0008 熊本県水俣市浜 |
概要 | 水俣市の温泉地「湯の児温泉」にあった老舗旅館。 洞窟風呂やオーシャンビューが売りだったが、業績悪化により2015年に閉業。 2025年2月現在で建物は現存しているが、かなり風化が進んでいる。 |
今回紹介するスポットは、熊本県水俣市にある「山海館」。
ただし既に閉業しており、建物は廃墟化しています。
山海館とは?

山海館は、昭和28(1953)年に温泉地「湯の児温泉」に設立された温泉旅館。
洞窟風呂や八代海をのぞむオーシャンビューが特徴で、昭和63(1988)年には全面改装も行われたぐらいの人気っぷりでした。
しかし…バブル崩壊を迎えると、近隣の観光資源が少ないことや利便性の低さから客足が遠のき、それに伴い業績も悪化。
平成27(2015)年4月には事業停止のうえで破産手続きに入りました(負債総額:6億円)。
建物はいまも解体されずに残っており(2025年2月時点)、特に旧館は写真で見るだけでもかなりの迫力です。
たまたまその場所を見つけた僕は瞬く間に一目惚れ(?)し、即日現地へ向かうことに。
存在感MAXの廃墟
2025年2月15日、天気は曇り。

近くの公園の駐車場に車を停めさせてもらい、湯の児温泉の周辺を散策してみる。
近隣にあるホテルや旅館からは話し声が聞こえてくるので、それなりに賑わっている様子。
ただ、入念な下調べをせずに来てしまったけど、山海館は一体どこにあるのやら…と思ったらそれっぽいのがもう奥に見えていた。
新館(渚館・岬館)
まずは旧館の両隣に建つ新館から見てみよう。

左側にあるこちらは「渚館」といって、6階建てのかなり巨大な建物。
見たところガラスが割れているような感じは無く、廃墟にしては比較的状態が良い。

…ただ、建物を覆いつくさんと蔦が根を張っていることを除けば。
冬になれば、ご覧のように葉っぱが落ちて根だけが残る。
僕にはこれがたくさんの毛が絡みついているように見えてしまってどうにもキショいのだ。

右側は「岬館」。
こちらは4階建ての建物だが…蔦が絡んでいるほか、すでに細部から崩壊が始まっているように見える。
客室から見える海はさぞ絶景だったことだろう。
一度は泊まってみたかったがもう遅い。
旧館(磯館)

そして新館の間に挟まれるように建つのは、旧館の「磯館」!
こちらは創業当時から建っていたらしく、その佇まいは千と千尋の神隠しにでも出てきそうなくらい立派なもの。
こんなに惹かれる廃墟、初めて見た…。

玄関先にあった鶴の毛通し。
こんな装飾、他じゃめったに見られないだろうに…。
ただ、さすがに年月の経過によって割とダメージが入り始めているようで…室内の障子がビリビリに破れているのはもちろん、屋根の一部がすでに歪み始めていた。
そんな建物の中からは、時折キイィッと金属がきしむような音が聞こえてくる。地味にホラーだ。

今後、この廃墟たちは一体どうなるのだろうか。
もし再建するとなっても、新館はともかく旧館はかなり傷んでいるので相当苦労する事だろう。
管理されなくなった建物は急速に朽ちていく。それは海辺の木造建築ならなおさらだ。
それ故に早々に行政の手が入るかもしれないし、あるいは自然災害であっという間に崩れ去ることだってありえなくはない話。
このような壮観な光景が見られるのも、そう長くは無いのかもしれない。
余談ですが


この写真のどこかに監視カメラが設置されています。
探してみてね!(ていうか稼働してるのか…?)
スポット情報
スポット名 | 山海館(閉業) |
所在地 | 〒867-0008 熊本県水俣市浜 |
現状 | 建物は解体されずに残っているが、旧館はかなり朽ちている。 |