ひとくちスポット紹介
スポット名 | 久七峠 |
所在地 | 〒868-0065 熊本県人吉市西大塚町~ 〒895-2502 鹿児島県伊佐市大口木ノ氏 |
概要 | 熊本と鹿児島を結ぶ国道267号の旧道。 峠は急なカーブや坂が多数あり、かなり険しい山道が続く。 平成16(2004)年に久七峠バイパスが完成したことで国道としての役目を終えた。 |
久七峠とは?
この記事を読んでいただく前に、まず「久七(きゅうしち・くしち)峠」について軽く触れておきましょう。
熊本県人吉市から鹿児島県伊佐市を経て薩摩川内市へ接続する国道267号線。
国土地理院|標準地図を編集・引用
その途中、ちょうど県境付近に久七峠(地図上の青線)があるのですが、平成16(2004)年に現在の久七峠バイパスが開通するまではそこが国道に指定されていました。
とはいえ、その道を見てみるとかな~り曲がりくねった山道。
過去には土砂崩れや倒木による通行止めがあったほか、標高700mに達する場所であっただけに冬場は積雪や路面凍結が多発していた…といわれています。
今回は、その旧道化した久七峠(全長:11.2km)を実際に走ってみることにしました。
実際に行ってみた
2024年10月5日、天気は曇り時々雨。
今いる場所は、久七峠の人吉側。
ちょうどここが現道との分岐点になります。
それではさっそく、旧道を走っていきましょう!
人気のない山道ですが、今のところこれといった落石などもなく、走りづらい感じは無いです。
時折道幅が狭くなることはありますが、基本的には1.5車線ぐらいで安定している感じですね。
さらに1台だけでしたが、地元の方の車が走っていく姿も見えました。
この先には田野集落があるので、久七峠はまったく利用されなくなった…という訳ではなさそうです。
ところが、集落を抜けると道路状況は少しずつ悪化してきました。
本来は2車線だったであろう道も、落ち葉や枝が散乱して実質1車線しか無いような状態になっています。
そして現れる「安全運転」の標柱。
当時は夜になると点灯していたのでしょうか…?
県境に到達!
標柱を過ぎると、県境の標識とともに青看板が見えてきました!
この青看板は、かつてここが国道267号線だったことを示す貴重な構造物。
今回僕が久七峠に来たのは、これを見たかったからというのもあります。
どこか古めかしい字体。
表記が当時の大口市(現:伊佐市)や川内市(現:薩摩川内市)になっているのも時代を感じます。
今回は撮影できませんでしたが、青看板から少し人吉側に行ったところには「肥薩国境の碑」も建っているとのこと。
現道を目指す
熊本県人吉市を抜け、ここから先は鹿児島県伊佐市となります。
現道までは残り6.1kmとまだまだ長い…。
他に車が来るような気配もないし、ただただ孤独です。
これまでは比較的カーブが少ない印象でしたが、県境を越えた途端に一気に道がウネウネとし始めました。
それに加えて路面の状態も一段とひどくなり、土砂崩れが起こっていた…なんて場所も。
何度か落ちていた石に乗り上げながらも4~5分ほど峠を下り続け、ついに現道までの距離は残り1kmを切りました。
峠に入ってからここまでスマホの電波はほとんど入らないような状態で…正直かなり不安でした!
それでも、ここまで来れば心理的にも余裕が出てきます。
現道復帰直前に見つけた古めかしい看板。
同市の曽木の滝の案内看板ですが、一体いつ設置されたのでしょう…。
久七峠に入ってからちょうど30分。ついに現道への復帰を果たしました!
久七峠には街灯が無いのも相まって、夜に走るというのは実に心細かったです。
さらに会社の先輩から「ここ心霊スポットだよ」という前情報も貰っていたので(信憑性薄)、どこか恐怖もありました。
ただ、当時の看板類がまだ残っているというのは驚きでした。
かつての情景を垣間見ることができた気がして感動です。
この先、旧道が10~20年後まで通れるかどうか…その頃にはもしかすると廃道になっている可能性も否めませんが、それはさておき、二度と通ることは無いだろうなと思いながら帰路へつくのでした。
余談ですが
県境を越えて伊佐側へ下る途中、伊佐市街地の夜景がわずかに見えることがあります!
いまは木々に遮られつつあるけど、この道が国道だった頃はもっとはっきり見えていたんだろうなぁ…。
スポット情報
スポット名 | 久七峠 |
所在地 | 〒868-0065 熊本県人吉市西大塚町~ 〒895-2502 鹿児島県伊佐市大口木ノ氏 |
現状 (2024年10月時点) | 旧道化してから20年が経っている。 道路状態は良いとは言えないが、通行は可能。 |