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大型バスの転落事故も起きた鹿児島屈指の険道「鹿児島県道291号 松元川辺線」を走る

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県道291号とは?

▲国土地理院|地理院地図を加工・引用

鹿児島県の薩摩半島にある「鹿児島県道291号松元川辺線」は、鹿児島市上谷口町から南九州市川辺町に至る総延長33.4kmのれっきとした県道です。

しかし、起点・終点の周辺を除く大部分では非常に道幅が狭い区間が続き、4トン車以上の通行が禁止されているほど。

世の中では険しい県道のことを“険道”と呼ぶそうですが、この県道291号はまさにそれ。
少なくとも、鹿児島県で一二を争うくらいにはハードと思われます。

ちなみに…2023年には、県内にある高校のサッカー部員30人が乗った貸切バスがこの県道で横転し、10人が搬送された事故も起こっています。

今回挑むのは、そんな県道。

実際に走ってみた

2025年9月30日、天気は曇り。

今いるのは、県道291号の終点にあたる南九州市の「両添上(りょうぞえかみ)」交差点付近。

ここからひたすら北上していきます。

▲茶畑を突っ切る

片側1車線の快走路。
一部道が狭くなっているところはあれど、それ以外は何の変哲もない県道という感じ。

本当にこの路線が鹿児島有数の険道…?

今が順調すぎる分、このあとに控えているであろう難所に遭遇した時の落差が怖いです。

県道はここで左に曲がり、大坂(だいざか)方面へ。

せ ま い

左折した途端、まぁまぁ走りやすかった道が一気に狭まりました。

一応、この先で何度か拡がりはしますが…それも長くは続かず。

南九州市を抜け、南さつま市へ。

市境から走ることおよそ15分、ここで県道20号と交差します。

ここが大坂地区の中心部。
かつては小学校もあったようです(閉校後はボルダリング施設として活用されています)。

第一の難所【大坂~日添集落】

あっという間に南さつま市を抜け、日置市に入ります。

そこからしばらく進むと、つづら折りありの標識とともに現れた「4t車以上通行できません」の文字。

その先の道は、グッと狭くなりながら森の中へ吸い込まれています。

いよいよ本番なのでしょう。

ここから先は上り坂。

カーナビの音声案内はしきりにUターンを勧めてきますが、さらに上っていくと…

ご覧の有様

土砂がなだれ込んではいるものの、微かに轍があるので誰かしら通ってはいるっぽい…。
ていうかここ県道なんだよね?

▲設置されて久しいカラーコーン
▲ほぼ道路のど真ん中にある「路肩注意」

ちょっとした峠を越え、ここから先は不安になるような下り坂。

写真は割愛しますが、ここには新木場という集落があります。

ポツポツと家屋は建っていましたが…ロープか何かで封鎖されていたり植物に覆われていたりしていたので、今はほとんど空き家なのかも。

その後、いくつかの集落を抜けて再び上り坂へ。

ここまでの間でまた道が拡がってくれたと思いきや、何だかもう終わりそうな気配…。

▲4t車以上通行不可、再び

そして交差点。

最近誰も通ってないだろってくらい落ち葉が積もっている直進方向が県道です。
道幅はやっぱりランクダウン。

ここら辺はガードレール多めではありますが、見通しと走り心地は悪いまま。

カーブの先で対向車と出くわしたらどうしようと思いながら運転していましたが、その機会が訪れることはありませんでした。

しばらく進むと視界が開けてきて、爽やかな秋空が出現。

ここは日添(ひぞえ)集落。
田んぼの稲刈りをされている方もいて、人の営みを感じます。

それに呼応するかのように現れたヘキサ。

塗装剥がれまくり。

第二の難所【日添集落〜伊作峠】

日添集落を後にして、交差点を左折。

ここから先は、あのGoogleマップの撮影車も未走破の区間となります(2025年10月時点)。

つまり、道が相当荒れている可能性があるということ…。

既にやばい

別に道が無くなっている訳でもないのに、廃道みたいな雰囲気が漂い始めてる。

でも全面通行止の看板も無いし、一応は通れるのでしょう…。

徐行運転で石や落ちた枝を避けつつ進んでいくと、屈曲ありとつづら折りありの標識を発見。

どちらも今更感がしますが、何もないよりはマシか…。

それにしてもこの区間は交通量が相当少ないらしく、道路のど真ん中に割と大きめの枝が落ちたまま…なんてことも。

枝をどかすついでに、道幅と車を比較。

車同士のすれ違いは出来ないけど、ただ走るだけならまだ余裕はある。

そこから約300m進んだところで、別の道と合流!

左の廃道寸前みたいな道が、たった今下ってきた県道291号です。
我ながらよく通ったな…。

この先はいったん県道22号と接続。

350mだけですが、片側1車線の快走路となります!

第三の難所【伊作峠〜平田町】

日置市をやっと抜け、ここから先は鹿児島市。

そして「伊作(いざく)峠」のバス停を過ぎたところでまた県道291号は分岐する様子。

やっぱり4t車以上はダメ。しかも今度はすごい念入り。

冒頭で記したバスの横転事故がこの先で起こったからでしょうか…。

再び似た光景の道に姿を変え、現れるヘキサ。

平成の大合併によるものとはいえ、こんな場所でも県庁所在地なんですね。

そしてここが、バスが横転したとされる場所。

さすがにもう痕跡はありませんが…間違いないのは13tにもおよぶ大型バスが通る道ではなかったということ。

誰も死なずに済んで良かった…。

ゴールはすぐそこ

その後、道は急カーブを境に4t車以上通行不可の区間を脱出。

この丁字路を曲がった辺りから綺麗な建物を目にするようになります。

実に1時間半ぶりに見る信号機!

徐々に家屋も増えてきたし、どことなく安心感を感じます。

あとは県道35号に合流するまでひたすら道なり。

日置方面へ進んだのち、すぐ現れる信号を右折して薩摩松元駅の方向へ。

この道の先は、駅前を通る県道24号と接続します。

長かった県道291号もそこで終わり!

走破にかかった時間:1時間55分
全線を通してすれちがった車:7~8台
(ほとんどは起点・終点付近での対向車でした)

おわりに

▲日添集落から伊作峠へ至る道

噂通りの“険道”っぷりでした。

さすがに県が管理する道だし大丈夫だろう…そう思いながら走りましたが、別にそんなことはありませんでした

交通量が少ないゆえ、落石や枝などは放置されっぱなしで、路肩の崩落も応急処置に留まっている印象。

幸い大規模な崩落とかは無かったものの、軽い気持ちで通る道ではないのは確かです。

あそこを二度と通ることは無いだろうな…そう思いながら、土まみれになった車で帰るのでした。

今日のあとがき

家に帰った後で車に異常が無いか見て回っていたら、グリルから枝が出てきました。
一瞬目を疑いましたが、間違いなくあの県道で何かの拍子に入り込んだんでしょうね…。

路線情報

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この記事を書いた猫

九州地方に住むケモノ。
愛車でドライブを楽しむかたわら、2022年よりお出かけスポット紹介と旅行記を兼ねたブログ「けものたび」を開設。

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