ひとくち路線紹介
路線名 | 指宿枕崎線 |
所在地 | ・鹿児島県 鹿児島市、指宿市、南九州市、枕崎市 |
概要 | 鹿児島中央駅から枕崎駅までを結ぶJR線。 日本最南端のローカル線として知られている。駅数は36。 |
指宿枕崎線について
鹿児島の玄関口である鹿児島中央駅からは、指宿・枕崎方面に向かう「指宿枕崎線」が通っています。

JRの中では日本で最も南を通る路線といわれ、さらにJR日本最南端の駅として西大山駅、日本最南端の始発・終着駅として枕崎駅があり…とにかく最南端の肩書きが多い路線なのです!
今回はそんな稀有な路線を堪能すべく、指宿枕崎線を完乗したときの様子をお届けしたいと思います。
実際に乗ってみた
2025年1月24日、天気は曇り時々雨。

鹿児島中央駅よりこんにちは。
今回お世話になるのは、乗り換えの必要が無い10時02分発の指宿経由枕崎行きの便。
特急でも快速でもなく、30駅以上あるすべての駅に停車する普通列車とあって終点までは3時間近くかかるとの事だが、それもまた一興ということで。

ちなみに、鹿児島中央~枕崎間の運賃は片道1,850円(2025年1月時点)だった。
交通系ICは途中の喜入駅までしか使えないので、あらかじめ券売機で切符を買っておこう。

今回乗る列車の後ろ姿。
2両編成のいかにもローカル線という感じで旅情あふれる光景だが、その車内は身動きがとれないぐらい超満員だった。
しかも暖房が効いているところに人の熱気がプラスされるので、とにかく暑い、暑すぎる!!
10時02分、定刻通り鹿児島中央駅を発車。
果たしてどんな旅になるだろうか…。
襲う電車酔い

10時29分、坂之上駅に到着。
乗車から30分近く経ったが、すし詰め状態だった車内はすっかりがらんがらんになってしまった。
8割ぐらい鹿児島市街地の駅で降りていったらしい。

11時30分、指宿駅に到着。
砂蒸し温泉で有名な指宿市のメイン駅。
この駅でもそれなりの乗客が降りていった。いいなぁ、温泉に行くんだろうなぁ。
この時点で、乗車からだいたい1時間半が経った。
実はけっこう走行時の揺れが激しく、油断しているとすぐ気持ち悪くなってしまう。
暇つぶしにスマホをいじっていたが、ここら辺からあまり触らなくなった。
寝過ごしたJR最南端の駅

11時52分、西大山駅に到着。
写真からそういう要素を汲み取ることはできないが、今いる場所がJR線で日本最南端の駅とされている。
ホーム上にはモニュメントなどが設置され、停車時間も2分ほど確保されているようだが…不意に寝落ちしてしまったため、汽笛で目が覚めたと思ったらもう発車するところだった。
激揺れの末端区間へ

12時27分、石垣駅に到着。
まだそれなりに乗客はいるが、途中駅で降りる方はせいぜい1人か2人くらい。
ほとんどは僕みたいに終点まで乗っているのだろう。

そういえば、指宿駅の辺りで「揺れが激しい」と書いたが…ここら辺からさらに揺れが増した気がする。
小刻みじゃなくて、ぐわんぐわんと船が荒波の中を進むみたいに大きく揺れる感じ。
そもそも幌がこんなに揺れてるの見たことない。
まもなく到着

12時47分、白沢駅に到着。
1本だけのホームには駅舎も何も無く、ただぽつんと駅名標が立っていた。
よく見たらそれも色褪せて「しあああ」駅になってるし。

12時51分、薩摩板敷駅に到着。
ここが指宿枕崎線で最後の途中駅。
ホームしかない無人駅だが、すぐ近くに鹿児島水産高校が建っているため、朝夕は若干ながら利用客がいるらしい。

薩摩板敷駅を過ぎてトンネルをくぐると、ついに枕崎の街並みが!
長かった…3時間も揺られっぱなしだと身体がバキバキにこり固まるし、なんかもう乗るだけで疲れてしまった。
これを帰路でもう一回体験するという事はともかく、もうすぐで解放されるのだ。
ついに着いた、最果ての街

12時57分、枕崎駅に到着!
ここがJR線の最果て。
ホームには「南と北の始発・終着駅」と書かれた看板が掲げられ、ついにここまでやって来たんだとテンションも上がる。
せっかくなので、駅の様子を見て回ることに。
▼枕崎駅の様子は以下の記事でどうぞ

街を散策してみる

僕の乗ってきた列車は30分後にまた折り返していくのだが、せっかく来たのでその便には乗らず、駅周辺を散策することに。
次の便は15時54分。あと3時間近くは猶予がある。


枕崎市は水産業が盛んな街ということで、漁港のすぐ近くにある「枕崎お魚センター」でお土産(後述)を購入。
そして駅裏の坂を上った先にある「枕崎神社」へお参りしてきた。

小高い丘からのぞむ枕崎の街並み。
のどかな港町だ。
時折、船の汽笛も聞こえてくる。
帰路へ

てくてく枕崎駅まで戻ってくると、帰りの列車が待機していた。
やがてドアが開く音がしたので、乗り込んで発車を待つ。

ちなみに、枕崎駅には切符売り場が存在しない。
なので、乗車時は車内に設けてある機械から整理券を取り、降車時にそれを運転手や駅員に渡したのち運賃を支払うのだそう。
どことなくバスのような乗り方だ。
15時54分、定刻通り鹿児島中央駅へ向けて発車。
その後、睡魔に襲われた僕は当分起きることは無いのであった。
かなりヤバイ指宿枕崎線の現状

ここまで指宿枕崎線の様子をお届けしましたが、実はけっこうな赤字ローカル線。
JR九州が公表している2023年度の線区別の利用状況によると、市街地を走り抜ける鹿児島中央~喜入間はそうでもないようですが、喜入~指宿間は2億3200万円の赤字。
さらに末端区間の指宿~枕崎間にいたっては平均乗車数が222人/日、そして4億6200万円の赤字となっているのです。
こんな具合なので、指宿~枕崎間については将来のあり方を決める検討会議が開催されており、割と危うい存在。
すぐに廃止することはない…と思いますが、「気が変わった!やっぱり廃止します!」なんてことにならないうちに、日本最南端のローカル線に乗って枕崎を訪れてみてはいかがでしょう!
そしてあの揺れをぜひ自分の身で体験してみてください。
余談ですが


お土産に買ったかつおラーメン!
鹿児島水産高校の生徒が考案したらしいのですが、かつお節がきいた出汁でなんとも美味しかったです!
あっさり系なので、二日酔いの時に食べたら最高かも…。
路線情報(鹿児島中央~枕崎)
路線名 | 指宿枕崎線 |
所在地 | ・鹿児島県 鹿児島市、指宿市、南九州市、枕崎市 |
今回かかった運賃 | 片道1,850円 |
今回の所要時間 | 2時間54分 |