旧志布志線の名残が色濃く残る駅跡「有明町鉄道記念公園」

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ひとくちスポット紹介

スポット名有明町鉄道記念公園(伊崎田駅跡)
所在地〒899-7401 鹿児島県志布志市有明町伊崎田5507
概要かつて存在した国鉄志布志線「伊崎田駅」の跡地。
現在は鉄道記念公園として整備され、現役時代の駅舎や案内板などが残されている。

志布志線とは


鹿児島県には、かつて志布志線と呼ばれる鉄道が走っていました。

西都城駅(宮崎県都城市)から志布志駅(現在の鹿児島県志布志市)を結ぶローカル線で、昭和62(1987)年3月に廃止されてしまいましたが、当時駅があった場所にはそれぞれ公園や記念碑などが整備され、かつてそこに鉄道が走っていたことを物語っています。

今回は、その中でも志布志線の痕跡が未だ数多く残る場所を紹介しましょう。

今回訪れるスポットは、鹿児島県志布志市にある「有明町鉄道記念公園」
かつて伊崎田(いさきだ)があったところです。

実際に行ってみた

2024年11月10日、天気は曇り時々雨。

ここが有明町鉄道記念公園。
コンクリート造りの豆腐チックな駅舎がほぼ当時のままに保存されています。

静かな駅前通り。
街から離れた場所にあるため、車の往来はほとんど皆無でした。

ちょっと怖い駅構内

建物の中はかなり老朽化が進んでいるようでしたが、駅らしさはまだ十分に残っていました。

「本当にここに駅が存在していたんだなぁ」

そう思いながら窓口の方に目を向けると・・・

国鉄職員に扮した2体のマネキンが立っていました。
誰もいないと思って見回したらこれだもん、心臓に悪いよ…。

マネキン駅員の足元には、志布志線のラストランの時に掲げられていたであろうヘッドマークも置かれています。

窓口の横にはこんな表が。

小荷物が指定の場所まで届くのにかかる日数を示したものらしいですが、青森県の八戸までは5日、さらに北海道の釧路・帯広までは8日もかかるとのこと。
今がいかに物流の発達した時代であるかを再認識させられます。

改札口の頭上には時刻表も残されていました。
所々読める接続列車の欄には、門司港行や熊本行の便も記載されています。


経年劣化が進んで文字が消えかけていますが、こんな感じの時刻表だったようです。

下り(志布志方面)上り(都城方面)
6:49(志布志行)6:21(都城行)
8:20(宮崎行)7:24(快速大隅 / 西鹿児島行)
10:28(志布志行)7:50(都城行)
11:23(志布志行)9:05(都城行)
13:39(宮崎行)12:07(都城行)
16:26(宮崎行)14:34(都城行)
18:10(宮崎行)15:58(都城行)
19:19(志布志行)17:13(都城行)
19:51(快速大隅 / 油津行)18:14(都城行)
21:07(志布志行)21:06(都城行)

上り・下り共に一日10本の列車が来ていたようです。
ローカル線とはいえ、極端に便数が少ないという訳では無さそう…?

駅舎の右手側には、志布志線のラストラン時の様子を映した写真がずらっと並んでいました。

廃れゆくホーム

改札口を抜けてホームに立ってみたところ。

大部分は草に覆われ、自然に還りつつあります。

つい最近まで、ホーム上には判読不能なほどに錆びた駅名標が立っていたのですが…長いあいだ風雨に晒されたことで腐食が進み、ポッキリと逝ってしまわれた様子。
折れてしまった方は建物脇に立てかけてありました。

朽ち気味の屋根。

手動式のポイント切り替え装置。
状態はあまり良くありません…。

志布志線時代の駅舎や時刻表がまるまる残っていたのは当時の雰囲気を味わえたようで嬉しかったですが…それはそれとして、どことなくこの施設が放置プレイされているような印象もありました。

一応、ここ最近でも看板が新しいものに付け替えられてはいるものの、こういった施設の維持費はそれなりにしそうですし…あまり人気のない伊崎田駅跡をガチガチに保存するのは、志布志市側としてもあまり気が乗らないのかもしれませんね。

▲舗装された線路跡と対岸のホーム

このまま静かに朽ちていくか、いっそ解体されてしまうのか…。
伊崎田駅跡が今後どうなるのかは分かりませんが、この状態で見られるのはそう長くはなさそうな気がします。

訪問をお考えの方は、お早めに。

今日のあとがき

スウ

駅舎には男女兼用(?)のトイレが設けられていて、まだ水も通っていました。
完全に放棄されているわけでは無さそうですね…。

スポット情報(2024年時点)

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この記事を書いた猫

九州地方に住むケモノ。
愛車でドライブを楽しむかたわら、2022年より観光スポット紹介と旅行記を兼ねたブログ「けものたび」を開設。

2022年:本土最南端「佐多岬」到達
2023年:日本最低峰の一つ「天保山」制覇

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